Issuer Credit Research

Issuer Flash: Axiata Group Berhad

Issuer: Axiata Group | Document: Issuer Flash | Date: 2026-05-26 | Event: 1q 2026 Results

Report date: 2026-05-26 Event date: 2026-05-25 Event title: 1Q26 Results

1. Flash Conclusion

Axiata Group Berhad(以下、Axiata)の2026年第1四半期決算は、FY2025で確認したバランスシート修復とポートフォリオ再編の効果が、初期的には続いていることを示した。継続事業の売上高はリンギット高の換算影響で前年比3.2%減のRM2.800bnとなったが、恒常為替では8.5%増だった。EBITDAは前年比11.2%増のRM1.356bn、継続事業PATAMIはRM273.8mn、営業フリーキャッシュフローはRM509.7mnである。通信事業の費用規律、XLSMART統合の初期効果、CelcomDigiとDialogの配当、持株会社借入の減少は信用上前向きである。

ただし、直近issuer_summaryの信用見方を大きく引き上げる段階ではない。Net Debt / EBITDAはFY2025末の2.46xから2026年3月末に2.51xへ小幅上昇し、会社は主にリンギット高の換算影響と説明している。持株会社現金はRM705mn、持株会社借入はRM6.855bnで、持株会社債権者は引き続き事業会社からの配当、銀行借入、資本市場アクセスに依存する。今回の決算は「安定から緩やかな改善」という既存見方を補強するが、XLSMARTの通常配当化、CelcomDigiとDialogの配当継続、EDOTCOとLink Netの資金負担、Sukuk 2026を置き換えた銀行借入の条件を確認する必要がある。

2. 発表内容

Axiataは2026年5月25日、2026年第1四半期決算を公表した。継続事業売上高はRM2.7999bn、EBITDAはRM1.3559bn、EBITはRM583.4mn、継続事業PATAMIはRM273.8mnだった。会社定義の恒常為替ベースUnderlying PATAMIはRM438.3mnで、前年同期比で大きく増えた。営業フリーキャッシュフローは前年比19.9%増のRM509.7mn、グループ現金はRM3.624bn、グループ借入はRM15.098bnだった。持株会社ベースでは現金がRM705mn、借入がRM6.855bnで、事業会社からの配当受領は第1四半期累計でRM165.3mnだった。

事業別には、XLSMARTの統合効果と通信事業の費用規律が目立つ。CelcomDigiはEBITDAと税引後利益がそれぞれ前年比4.7%、8.8%増加し、1株当たり3.4 senの中間配当を実施した。XLSMARTは売上高が前年比37.6%増となり、統合費用の低下とシナジーの発現によりUnderlying PATがIDR1.4tnへ改善した。Dialogは売上高9.2%増、EBITDA23.1%増、PATAMIが前年比で大幅増となり、初の四半期配当として1株当たりRs0.70を宣言した。RobiとSmartも恒常為替では改善した。一方、Link Netはファイバー会社への移行期にあり、売上高の減少と営業赤字が続く。Boostは一過性収益を含めて黒字化したが、ADAは売上高が伸びる一方で利益率が低下した。

資本構成では、Axiata SPV2 BerhadのUSD500mn Sukukが2026年3月24日に全額返済されたことを確認した。FY2025監査済み財務諸表では、この満期に先立ち2026年3月19日にRM2.0bnのリボルビング・クレジット・ファシリティをドローダウンして借換えたことが開示されていた。近接満期リスクは処理されたが、公募sukukが銀行借入へ置き換わったため、満期、金利、コベナンツ、未使用枠は引き続き確認事項である。

3. 信用上の読み方

今回の決算の良い点は、利益改善が単一市場や一過性項目だけに依存していないことである。報告売上は為替換算で減って見えるが、現地通貨ベースでは多くの事業で売上と利益が増えている。特にXLSMART、Dialog、Robi、Smartの改善は、2025年のissuer_summaryで重要視した「ポートフォリオ再編後の実績確認」に対する前向きな初期証拠である。CelcomDigiとDialogが配当を出していることも、連結EBITDAより事業会社からの現金移動を重視する持株会社債権者にとって重要である。

一方、数字を強く読みすぎるべきではない。第1四半期の配当受領RM165.3mnは、FY2025通期の約RM1.7bnに比べるとまだ小さい。四半期の季節性や配当決議の時期を考えれば、この数字だけで通期配当力を判断するのは早い。Boostの黒字化にはRM51.0mnの一過性収益が含まれ、ADAは費用増で利益率が下がった。Link Netは移行期の赤字が続いており、ファイバー資産としての長期価値と短期的な資金消費を分けて見る必要がある。

レバレッジは改善基調だが、余裕が厚いとまではいえない。Net Debt / EBITDAは前年同期の3.00xから2.51xへ改善したが、FY2025末の2.46xからは小幅に上がった。2.5x前後で安定すれば投資適格の土台を支えるが、XLSMART統合費用、EDOTCO再調達、Link Net投資、技術事業への追加資金が重なれば、3.0x方向への戻りもあり得る。したがって、1Q26は直近issuer_summaryの結論を補強するにとどまり、信用見方は引き続き「安定から緩やかな改善」とする。

4. 主要指標

指標 1Q26 比較・補足 信用上の読み方
継続事業売上高 RM2.800bn 前年同期比3.2%減、恒常為替では8.5%増 報告上はリンギット高の逆風。現地通貨ベースでは改善
EBITDA RM1.356bn 前年同期比11.2%増、恒常為替では25.9%増 通信事業の費用規律と統合効果が効いている
継続事業PATAMI RM273.8mn 前年同期比で大幅増 利益改善は前向き。ただし為替差益と金融費用低下も寄与
Underlying PATAMI RM438.3mn 恒常為替ベース、前年同期比で大幅増 基礎的な利益水準は改善。ただし会社定義指標として扱う
営業フリーキャッシュフロー RM509.7mn 前年同期比19.9%増 利益改善が現金創出にもつながっている
Net Debt / EBITDA 2.51x 1Q25は3.00x、4Q25は2.46x 改善基調は維持。ただし2.5xを少し上回る
グループ現金 / 借入 RM3.624bn / RM15.098bn 借入は前年同期比33.9%減 前年比では大きく改善、前四半期比ではほぼ横ばい
持株会社現金 / 借入 RM705mn / RM6.855bn 借入は前年同期比26.6%減 持株会社債権者には前向きだが、現金余裕は厚くない
事業会社からの配当受領 RM165.3mn 第1四半期累計 通期の反復可能配当力はまだ確認途中

5. 次に確認すること

次の焦点は、第2四半期または上半期決算で、事業会社配当が実際に積み上がるかである。CelcomDigiとDialogの配当は前向きだが、Axiata本体への現金受領、少数株主持分控除後の実質的な資金移動、持株会社費用と金融費用を差し引いた後の余力を確認する必要がある。

XLSMARTについては、統合が「売上成長と利益改善」から「通常配当と安定したキャッシュ創出」へ進むかを見る。会社はネットワーク統合を2026年第3四半期までに完了する予定と説明している。統合費用が下がり、ARPU改善とシナジーが続けば信用に前向きだが、投資負担や顧客移行が重くなれば、Axiata本体への配当期待は遅れる。

Sukuk 2026を置き換えたRM2.0bnの銀行借入については、満期、金利、担保・保証、財務コベナンツ、未使用枠を確認する。Link Net、Boost、ADAについても、Axiata28戦略の中で価値を作る可能性はある一方、持株会社債務の返済原資としてはまだ慎重に見るべきである。

6. Sources