Issuer Credit Research

Issuer Flash: Delhi International Airport Limited / DIALIN

Issuer: Delhi International Airport | Document: Issuer Flash | Date: 2026-05-31 | Event: Fy2026 Results

Report date: 2026-05-31 Event date: 2026-05-27 Event title: FY2026 Audited Results

1. Flash Conclusion

Delhi International Airport Limitedが2026年5月27日にBSEへ提出したFY2026監査済み決算は、CP4タリフ後の改善が通期で確認できる内容である。営業収益はRs 7,568.04 crore、EBITDAはRs 2,882.43 crore、税引後利益はRs 476.87 croreとなり、FY2025の赤字から黒字に転じた。DSCRは1.07倍から2.01倍、ISCRは1.10倍から2.08倍へ改善しており、料金改善が会社開示ベースの債務サービス余力にも効き始めた。

ただし、短期リスクは残る。FY2026末でもD/Eレシオは14.61倍、流動比率は0.45倍で、流動負債は流動資産をRs 4,082.82 crore上回る。今回決算は「CP4後の改善確認」としてDIALIN 2029の保有判断を支える材料だが、次の重要な確認点は2026年外貨債の借換である。ICRAの[ICRA]AA(Stable)再確認は国内資金調達アクセスの支えだが、国際外貨債の投資家は国内格付、既存issuer_summaryで参照しているS&Pの国際格付、担保付債の回収、為替・借換リスクを分けて見る必要がある。

2. 公表内容

DIALは2026年5月27日、2026年3月31日に終了した四半期および通期の監査済み単体決算をBSEへ提出した。今回の決算は、2025年4月に有効となったAERA第4管理期間、すなわちCP4タリフの効果を通期で確認できる最初の監査済み決算である。

FY2026通期の営業収益は前年比39.3%増、EBITDAは同64.4%増だった。一方、AAIへの年次フィー(annual fee)もRs 3,231.94 croreへ増えた。DIALのコンセッションでは、営業収益が伸びても相当部分がAAIへ流れる。2026年5月21日には、ICRAが主要NCDを[ICRA]AA(Stable)で再確認したこともBSEへ通知された。対象額は合計Rs 5,257 croreで、国内資本市場での信用認知を示す材料である。

3. 信用上の読み方

改善の出所は比較的分かりやすい。GMR AirportsのQ4 FY2026投資家資料では、Delhi Airportの第4四半期航空系収入は前年同期比178%増とされる。一方、FY2026の旅客数は78.7百万人で前年比0.7%減だったため、通期改善の中心は旅客数急増ではなく、料金制度の改善と空港収益の単価改善と読むのが自然である。

債務サービス指標の改善も明確である。DSCR 2.01倍、ISCR 2.08倍は、FY2025の1倍近辺からの回復を示す。ただし、これは会社開示ベースの比率改善であり、外貨債の実際の借換条件、ヘッジ、制限付き口座、準備金残高を直接示すものではない。

流動性の読み方は慎重に残す。FY2026末の現金・現金同等物はRs 81.14 crore、その他銀行残高はRs 48.76 crore、流動投資はRs 1,221.47 croreだった。その他金融資産Rs 1,789.59 croreは、内訳や拘束性、換金可能性を今回資料だけでは十分に確認できない。流動借入はRs 4,952.77 croreであり、近い満期対応は引き続き中心論点である。

規制・契約面も残る。DIALはCP4タリフ命令についてTDSATへ不服申立てを行っている。決算注記時点では次回審理が2026年5月28日予定と記載されていたが、本稿作成時点でその後の結果は確認できていない。また、COVID期間の最低年次フィー(minimum annual fee / MAF)をめぐるAAIとの紛争ではAAIの控訴が残り、次回審理は2026年8月12日予定とされている。

4. 主要数値

金額は特記なき限りインドルピーのcrore、比率は会社開示ベースである。Q4は四半期、FY2025とFY2026は通期である。

指標 FY2025 Q4 FY2026 FY2026
営業収益 Rs 5,432.80 crore Rs 1,990.89 crore Rs 7,568.04 crore
AAIフィー Rs 2,496.08 crore Rs 874.12 crore Rs 3,231.94 crore
EBITDA Rs 1,752.94 crore Rs 748.00 crore Rs 2,882.43 crore
税引後利益 Rs -976.16 crore Rs 123.34 crore Rs 476.87 crore
DSCR / ISCR 1.07x / 1.10x 3.00x / 3.15x 2.01x / 2.08x
D/Eレシオ / 流動比率 24.38x / 0.53x 14.61x / 0.45x 14.61x / 0.45x

数字の読み方は二段階である。営業収益、EBITDA、税引後利益、DSCR、ISCRは明確に改善した。一方、流動比率とレバレッジはなお弱い。DIALは良い空港資産を運営しているが、財務構造は大型コンセッション投資後の高レバレッジ発行体である。

5. 次に見るべき点

第一に、2026年10月外貨債の借換である。借換完了の有無、金額、通貨、満期、担保、ヘッジ、銀行枠の利用状況を確認する。今回決算は営業面の改善を確認したが、満期集中を消したわけではない。

第二に、FY2027第1四半期以降のCP4後の実収である。FY2026はCP4効果が大きく出たが、今後も航空系収入、非航空収入、AAIフィー、金融費用を吸収してDSCRを維持できるかを見る。

第三に、CP4不服申立てとAAI MAF控訴である。CP4の2026年5月28日以降の手続結果は本稿作成時点で未確認であり、AAI控訴は2026年8月12日が次回審理予定とされる。料金制度とAAIへの価値配分はDIAL債権者の返済原資に直接関係する。

6. 未確認事項

7. Sources