Issuer Credit Research

Issuer Flash: Hana Securities Co., Ltd.

Issuer Flash: Hana Securities Co., Ltd.

レポート日: 2026-08-03 イベント日: 2026-07-24 イベント名: 2026年上期業績

1. Flash Conclusion

Hana Securitiesの2026年上期業績は大幅に改善し、純利益は前年同期比155.7%増のKRW 273.1bnとなり、このうち2Qの寄与額はKRW 169.8bnだった。今回の結果は、FY2023の赤字後に形成された業績回復の見方を強めるものである。また、2Qには手数料収益、営業利益、引当前利益がいずれも加速しており、1Q26の結果だけを見た場合よりも回復の説得力が高まった。報告ベースの経費率が低下し、報告ROEが8.72%となったことも、クレジット上ポジティブである。

もっとも、今回のイベントによって、Hana Securitiesを預金調達型の銀行クレジットではなく、市場調達型の証券会社クレジットとみる基本的な見方が変わるわけではない。グループの公式プレゼンテーションでは手数料収益が大幅に増加しており、フランチャイズ収益の観点からはポジティブである一方、処分・評価損益は引き続きマイナスであり、下方リスクが低下したと判断するために必要な単体ベースの資金調達、流動性、規制資本、PF、保証、コミットメントに関する詳細な開示も示されていない。信用損失引当金は極めて低かった1H25の水準から急増し、プレゼンテーション上の報告NPL比率はFY2025の1.78%から2.22%へ上昇した。したがって、業績改善は信用力を下支えするものの、回復の持続性と、市場または資金調達ショックを吸収する能力が、引き続き債券投資家にとっての中心的な論点である。

Hana Financial Groupによる所有は、引き続き支援的な背景要因である。5月のIssuer Summaryでは、HFGの証券プラットフォームとしてのHana Securitiesの役割を支援期待の根拠としているが、今回のイベントにも既存のIssuer Summaryにも、コミット済みの流動性支援や契約上の保証を示すものはない。関連する証券の契約書類に明示的な規定がない限り、HFGによる所有を、Hana Securitiesの債務に対するHFGまたはHana Bankの契約上の保証と解釈すべきではない。

2. What Was Announced

Hana Financial Groupの1H26プレゼンテーションでは、Hana Securitiesについて以下の業績が報告された。この業績表はグループのプレゼンテーションにおける開示であり、単体の監査済み財務諸表や、前回レポートにおけるK-IFRS貸借対照表の対象範囲と同一視すべきではない。

KRW bn、別途記載がない限り 1H26 1H25 YoY 2Q26 1Q26 QoQ
一般営業収益 816.5 432.0 89.0% 464.1 352.5 31.7%
利息収益 248.1 258.2 -3.9% 118.6 129.5 -8.4%
手数料収益 498.6 193.1 158.2% 303.3 195.3 55.3%
その他営業収益 173.9 89.5 94.3% 97.3 76.6 27.1%
一般管理費 417.1 312.0 33.7% 221.0 196.1 12.7%
引当前利益 399.4 120.1 232.6% 243.0 156.4 55.4%
信用損失引当金 54.1 1.3 4,147.2% 39.4 14.7 167.6%
営業利益 345.3 118.8 190.6% 203.7 141.6 43.8%
純利益 273.1 106.8 155.7% 169.8 103.3 64.4%

プレゼンテーションではこのほか、1H26のROEが8.72%、経費率が51.1%、NPL比率が2.22%と報告されている。比較チャートでは、FY2025のROEは3.52%、経費率は77.1%、NPL比率は1.78%と示されている。プレゼンテーションには、資産健全性指標の基礎となる定義、エクスポージャー構成、損失カバレッジに関するデータが示されていないため、これらの比率は包括的な資産健全性評価ではなく、モニタリング指標として扱うべきである。

3. Credit Read-Through

今回の業績は、5月のIssuer Summaryとの比較で明確にポジティブである。上期純利益は、前回のHFG Databookで報告された2025年通期のKRW 212.0bnをすでに上回った。この過去数値は、2026-05-16付Issuer Summaryおよび同レポートが引用したFY2025 HFG Databookに基づくものであり、今回の1H26プレゼンテーションから取得したものではない。2Q業績も1Qを大幅に上回った。手数料収益合計は、開示された一般営業収益の構成項目の中で最大であり、1H26には前年同期比158.2%増、2Q26には前四半期比55.3%増となった。この伸びは収益源の多様化にとってポジティブだが、プレゼンテーションでは、手数料収益の事業別構成、継続性、市場環境に対する感応度は開示されていない。したがって、特定の顧客フロー型事業が持続的な収益源になったことの証拠とみなすべきではない。一方、利息収益は前年同期比、前四半期比ともに小幅に減少した。

それでも、この改善をもって収益の変動性が低くなったことの証明とみなすべきではない。その他営業収益は1H26にKRW 173.9bnへ増加した一方、プレゼンテーションでは処分・評価損益が引き続きKRW 104.1bnのマイナスとなっている。これらの項目は、手数料収益に加えて、市場環境、自己勘定ポジション、金融商品、評価変動、資本市場業務が業績に影響し得るという従来の結論を補強する。プレゼンテーションの開示は、これらの損益の構成要素、継続性、ストレス感応度を切り分けるには十分な詳細さを欠く。

コスト規律と増収により、報告経費率はFY2025の77.1%から51.1%へ改善し、報告ROEも3.52%から8.72%へ上昇した。これらは良好な収益性指標だが、ストレス下での損失吸収力と流動性を評価する必要性に代わるものではない。信用損失引当金が1H25のKRW 1.3bnからKRW 54.1bnへ増加し、報告NPL比率がFY2025の1.78%から2.22%へ上昇したことは、警戒を要する対照的な材料である。引当金の比較基準は異例に低く、詳細なエクスポージャー情報も示されていない。それでも、現在の収益ペースをそのまま外挿するのではなく、PF、ブリッジローン、保証、コミットメント、自己勘定投資のエクスポージャーを改めて確認する必要性を示す動きである。

債券投資家にとって、良好な業績は短期的な収益バッファーを改善する。HFGによる所有と、グループのノンバンク・プラットフォームにおけるHana Securitiesの役割は、実証されたストレス時の流動性支援ではなく、既存のIssuer Summaryで記述された支援期待にとどまる。今回のイベントは、短期市場調達、レポのヘアカット、CPおよび短期社債の借換え、担保追加請求、外貨調達のストレス市場における感応度が低下したことを示すものではない。また、親会社による直接保証の存在も示していない。したがって、収益性の面ではクレジット見通しが強まった一方、単体開示が得られるまでは、主要な資金調達、流動性、市場リスク上の制約は変わっていない。

4. What To Watch Next

5. Sources