Issuer Credit Research

Issuer Flash: Maybank

Issuer: Maybank | Document: Issuer Flash | Date: 2026-05-29 | Event: Q1 Fy2026 Results

Report date: 2026-05-29 Event date: 2026-05-28 Event title: Q1 FY2026 Results

1. Flash Conclusion

Maybank の 2026年1-3月期決算は、直近 issuer summary の信用見方を大きく変えない。預金基盤、純利ざや(NIM)、資本、流動性に支えられた守りの強い銀行クレジットという整理は維持する。ただし、FY2025 通期で見えた低い信用費用と資本積み上げをそのまま外挿するには、やや慎重さが必要になった。

親会社株主帰属純利益は前年同期比 4.2% 減の RM2.48bn だった。減益の主因は市場関連・評価損益を含む非金利収益の落ち込みであり、預金基盤や与信基盤が急に崩れたわけではない。NIM は 2.14%、CASA 比率は 41.1% と強い。一方で、総減損債権比率は 1.34%、貸倒引当カバレッジは 104.4% へ動いており、資産の質は改善一辺倒ではない。

シニア債では中立から小幅プラスである。低コスト預金と NIM 改善は資金調達面の安心感を補強する。他方、劣後債や AT1 では、1Q FY2026 Bursa 添付資料の同一表示基準でグループ CET1 比率が 2025年12月末の 16.041% から 2026年3月末に 14.956% へ低下した点を追う。これは直近 summary の FY2025 見出し指標とは表示基準が異なるため単純比較しない。

2. What Was Announced

Maybank は 2026年5月28日、2026年3月31日に終了した第1四半期の未監査決算を公表した。四半期純利益は RM2.55bn、親会社株主帰属純利益は RM2.48bn、税引前利益は RM3.29bn だった。

資金利益とイスラム銀行業務収益は RM5.45bn と前年同期比で増えたが、その他営業収益は RM1.11bn へ減った。会社は、金融投資の評価損、外国為替益の減少、金融資産評価損が重しになったと説明している。費用収益比率は 49.9% と前年同期の 48.5% から悪化した。

貸出等に対する純引当は RM484.7mn と前年同期比 26.2% 増えたが、純信用費用率は 10bp とまだ低い。総減損債権は RM8.81bn から RM9.20bn へ増えた。Bursa 添付資料の「選択配当部分控除前」表示では、グループ CET1 比率は 14.956%、総自己資本比率は 18.469% だった。

3. Credit Read-Through

良い点は、預金・資金調達面が崩れていないことである。NIM が 2.14% へ改善し、CASA 比率も 41.1% と高い。1Q FY2026 は、預金基盤、イスラム金融、ASEAN 顧客接点、資本・流動性で守る銀行という直近 summary の土台を否定していない。

減益を信用悪化として読む必要はない。市場関連収益と評価損益の振れが四半期利益を動かした面が大きい。ただし、費用収益比率の悪化と合わせると、FY2025 通期ほど利益の見え方は滑らかではない。

資産の質は最も大きい確認点である。貸出等の償却原価区分では、Stage 2 引当が 2025年12月末の RM3.41bn から 2026年3月末に RM3.49bn、Stage 3 引当が RM3.15bn から RM3.33bn へ増えた。水準はまだ健全で信用ストーリーを崩すほどではないが、FY2025 の低信用費用を単純に外挿するのは避けたい。

資本はなお強い。シニア債では大きな懸念ではない一方、AT1 や Tier 2 では、NIM 低下、信用費用上昇、配当維持、リスク加重資産増加が重なる場合、資本バッファーの見方が変わり得る。今回の決算は、リスク顕在化というより、次回以降の確認項目を具体化したイベントである。

4. Key Numbers

指標 1Q FY2026 / 2026年3月末 比較対象 信用上の読み方
親会社株主帰属純利益 RM2.48bn 前年同期比 -4.2% 市場関連・評価損益が主因で、即時の信用悪化とは読まない。
NIM 2.14% 前年同期 2.04% 預金・資産価格付けは支援材料。
CASA 比率 41.1% FY2025 通期 40.5% 低コスト預金基盤は維持。
総減損債権比率 1.34% FY2025 通期 1.28% 小幅悪化。まだ信用ストーリーを壊す水準ではない。
貸倒引当カバレッジ 104.4% FY2025 通期 106.7% 低下傾向。再建先分類変更除き 113.6% との会社説明も確認。
純信用費用率 10bp FY2025 通期 8bp 低水準だが、これ以上の改善を前提にしない。
グループ CET1 比率 14.956% 同一表の2025年12月末 16.041% Bursa 添付資料の表示基準内では低下。資本性商品では確認継続。

5. What To Watch Next

次回は、NIM と CASA 比率が同時に維持されるかを見る。預金流出が起きなくても、預金維持コストが上がれば、NIM と内部資本生成を先に圧迫する。

資産の質では、総減損債権比率、Stage 2、Stage 3、貸倒引当カバレッジ、純信用費用率をまとめて見る。特に中小企業、運転資金、商業不動産、インドネシア、法人向け大口与信のどこに悪化が出るかを確認する。

ROAR30 戦略に伴う技術、データ、AI 投資は、長期競争力と短期費用の両面で見る。2Q FY2026 では、市場関連収益の振れが戻るかも確認する。

6. Unverified / Pending

7. Sources