Issuer Credit Research

RATCH Group PCL Issuer Flash: Q1 2026 Results

Issuer: Ratch Group | Document: Issuer Flash | Date: 2026-05-18 | Event: Q1 2026 Results

Report date: 2026-05-18 Event date: 2026-05-13 Event title: Q1 2026 Results

Flash Conclusion

RATCH Group Public Company Limited(RATCH)の2026年5月13日付Q1/2026決算は、2026年5月13日付issuer_summaryの信用見方を大きく変えない。結論は、軽度に前向きな運営・財務確認である。HKPの連結化と高稼働、豪州発電資産、水力案件、Paiton持分売却入金、銀行借入返済により、EBITDAは前年同期比17.5%増、総負債は2025年末比3.6%減となった。一方で、親会社帰属利益は同0.7%増にとどまり、売上・費用の大幅増はHKPを2025年10月から子会社として連結した会計上の非連続性を大きく含む。したがって、今回の決算は「信用力改善を確認」ではなく、「再構成期を管理できていることを確認」と読むべきである。

信用上の読み方は、既存の「EGATとの強い関係と長期PPAが支えるが、単体ではレバレッジ、持分法配当依存、短期借換、プロジェクト構造を監視する」という見方の延長線上にある。ポジティブなのは、RATCHGEN旧火力PPA満了後もHKP、豪州、Paiton、HPC、水力案件が利益を支え、Paiton持分売却でTHB2.648bnの投資回収が入り、金融機関借入をネットでTHB7.435bn返済した点である。ネガティブまたは中立に読むべき点は、現金が2025年末のTHB14.253bnから2026年3月末のTHB10.960bnへ減少し、利益はほぼ横ばいで、RGの収益低下が旧PPA満了後の置き換え課題を引き続き示している点である。

したがって、直近summaryの信用水準、方向性、急変蓋然性の評価に大きな変更はない。RATCHは引き続き、タイ国内では強い政府関連発電クレジットだが、EGATまたはタイ政府の明示保証付き債務ではない。Q1/2026は、RATCHをEGAT代替債ではなく、EGAT支援期待を持つ上場発電投資会社として見るべきという前回結論を補強した。

What Was Announced

RATCHは2026年5月13日、2026年3月31日に終了した第1四半期のFinancial ReportとMD&Aを公表した。監査法人KPMG Phoomchai Audit Ltd.は、要約中間財務諸表についてレビュー報告を出している。

主な数値は以下の通りである。

指標 Q1/2026 Q4/2025 Q1/2025 QoQ YoY 信用上の初期読み
Total revenue 12,321 11,994 6,987 +2.7% +76.3% HKP連結化で前年比較は非連続
Revenue from sales and rendering of services 9,516 8,989 4,883 +5.9% +94.9% HKP、豪州SP、風況改善が寄与
Share of profit of associates and JVs 1,284 1,014 1,232 +26.5% +4.2% 持分法利益はなお重要な利益源
EBITDA 3,752 3,555 3,194 +5.5% +17.5% 運営面は堅調
Finance costs 1,161 1,202 1,017 -3.4% +14.2% 債務負担は引き続き重い
Profit to owners 1,228 775 1,220 +58.5% +0.7% 純利益は前年同期比ほぼ横ばい
Normal profit 1,421 974 1,341 +45.9% +6.0% FXを除く基礎利益は小幅改善

事業面では、HKPが99.95%のavailability factor、95.82%のdispatch factorを示し、2025年10月1日からの子会社化後、RATCHの連結売上・費用に大きく入っている。RGはCombined-Cycleのavailability factorが98.89%と高い一方、EGATのdispatch instruction低下と2025年10月30日のThermal Unit 1/2 PPA満了により、売上が減少した。RACは南オーストラリアの電力販売価格と発電量、Mt. Emerald、Collector、Starfish Hillの風況改善に支えられた。

持分法投資では、PaitonはPLNからのdispatch増加により利益が支えられたが、RATCHのPaiton EnergyおよびMinejesa Capital持分は2026年2月24日に36.26%から31.26%へ下がった。HPCはQ4/2025の計画停止後の回復でQoQでは改善したが、THB高によりYoYでは認識収益が抑えられた。PNPCとNN2は水量・発電量の改善が寄与した。

財政状態では、2026年3月末の総資産はTHB239.183bn、総負債はTHB125.660bn、総資本はTHB113.523bnである。総負債は2025年末比でTHB4.697bn減少した。MD&Aは、金融機関借入のネット返済THB7.435bnが主因で、USD建借入のTHB換算増が一部相殺したと説明している。総負債を総資本で割った単純なD/Eは概算で1.11xである。

キャッシュフローでは、営業CFがTHB2.646bn、投資CFがTHB2.924bnの流入、財務CFがTHB9.055bnの流出だった。投資CFには、Paiton Energy持分縮小によるTHB2.648bnの入金、配当受領THB1.170bn、利息受領THB168mnが含まれる。財務CFの流出は、金融機関借入のネット返済THB7.435bnと利息支払THB1.269bnが中心である。現金および現金同等物は2025年末のTHB14.253bnから2026年3月末のTHB10.960bnへ減少した。

期後事象として、RATCHは2026年4月10日に4年、固定利率1.94%、2030年償還の無劣後・無担保グリーン社債THB3.500bnを発行した。また、2026年4月23日の株主総会で、FY2025利益から総額THB3.480bn、1株THB1.60の配当を承認し、既払い中間配当を控除したTHB1.740bnを2026年5月に支払う予定である。2026年4月28日にはRALCの全事業をRATCH本体へ移管し、RPCL持分を間接保有から直接保有へ変えた。2026年5月13日にはXekong 4 Powerへの追加払込USD6mn、THB192.66mn相当も行った。

Credit Read-Through

第一に、Q1/2026はHKP連結化後の運営安定性を確認する決算である。HKPはEGAT向け25年PPAを持つ国内ガス火力で、RATCHにとってRATCHGEN旧PPA満了後の国内安定収益を補完する中核資産である。Q1/2026の高いavailabilityとdispatchは、2025年のsummaryで重視した「置き換え資産が本当に収益を支えられるか」という問いに対して、初期的には良い答えである。ただし、HKP連結化は長期PPA資産の厚みを増すと同時に、連結負債と費用も取り込む。売上の大幅増を、そのまま信用力の大幅改善とは読まない。

第二に、RATCHGEN旧PPA満了の影響はなお表面化している。RGの売上はQ1/2025のTHB1.512bnからQ1/2026のTHB553mnへ大きく減少した。これは、旧Thermal Unit 1/2のPPA満了とEGATからのdispatch低下を反映する。RATCHの国内信用基盤はHKPとRPCLで補完されつつあるが、旧RATCHGENのような成熟した国内PPA資産から、新しい連結子会社・持分法資産・再構成後のRPCLへ収益源が移る過程にある。信用分析上は、安定収益が消えたのではなく、安定収益の所在と債務構造が変わっている。

第三に、持分法投資と配当への依存は、良い面と制約の両方を示した。Q1/2026の持分法利益はTHB1.284bnで、前年同期比4.2%増だった。Paiton、HPC、水力案件は引き続き利益を支える。しかし、Paiton持分売却によるTHB2.648bnの入金は流動性にプラスである一方、残存持分は31.26%へ下がっており、将来の利益・配当源も一部縮小する。RATCHの親会社債権者は、連結EBITDAだけでなく、JV・関連会社から実際に上がる配当、売却入金、追加投資義務を見る必要がある。

第四に、財務ポジションはやや改善したが、流動性リスクを消すほどではない。総負債は減少し、金融機関借入返済は前向きである。2026年4月のTHB3.500bnグリーン社債は、期後の資本市場アクセス確認としてもプラスである。一方、現金はTHB3.293bn減少し、2026年5月にはFY2025の残余配当THB1.740bnの支払いが予定される。Q1末BSだけを見ると、短期借入、1年以内の長期借入、1年以内の社債がなお存在するため、RATCHは手元現金だけでなく、営業CF、配当受領、銀行借入、社債市場アクセスを組み合わせて流動性を管理する発行体である。

第五に、EGAT支援期待と法的保証の区別は変わらない。Q1/2026決算は、EGAT向けPPA資産と国内発電ポートフォリオの重要性を再確認したが、RATCH債務をEGATまたはタイ政府が直接保証していることを示すものではない。格付上の支援uplift、国内AA+格付、EGAT45%保有は大きな信用支えである。しかし、債券保有者の請求権はRATCHグループに対するものであり、プロジェクト借入、担保、JV配当制限、グループ内保証、コベナンツを引き続き見る必要がある。

What To Watch Next

次に見るべき第一の項目は、H1/2026以降にHKP、RPCL、残るRatchaburi Combined-Cycleが、RATCHGEN旧Thermal Unit 1/2のPPA満了後の国内安定収益をどこまで置き換えるかである。Q1/2026は良い出だしだが、HKPの通年寄与、稼働率、dispatch、燃料価格、availability payment、RPCLの配当・持分法利益を継続して確認する。

第二に、Paiton持分縮小後の持分法利益と配当である。Q1/2026の売却入金は一回性の流動性材料であり、将来の利益・配当は残存31.26%持分に基づく。PaitonとHPCは石炭火力であり、短中期の配当源であると同時に、移行リスク、資金調達制約、規制・オフテイカーリスクを持つ。

第三に、Q2/2026以降の資金繰りである。2026年4月のグリーン社債発行、2026年5月の配当支払い、Xekong 4への追加払込、NNEG拡張、Song Giang 1などの建設・投資案件を踏まえ、現金、短期借入、社債償還、銀行借入、未使用信用枠、支払利息の推移を確認する。Q1/2026は銀行借入返済ができたが、これだけでレバレッジ問題が解消したとは見ない。

第四に、格付会社の更新である。TRIS AA+ / Stable、S&P BBB- / Stable、Moody's Baa2 / Stableの支援upliftが、HKP連結化、Paiton売却、旧PPA満了、追加投資、レバレッジにどう反応するかを確認する。特に国際格付では、単体信用評価とEGAT支援後格付の差が大きいため、EGATとの戦略的重要性に関する表現の変化は重要である。

第五に、個別債券・資金調達条項である。今回のFlashではQ1決算の読みを優先し、個別社債のchange of control、cross default、negative pledge、財務比率維持条項、プロジェクト担保、RH Internationalの債務条項、外貨債の足元スプレッドは確認していない。特定債券投資前には別途精査が必要である。

Sources

Unverified / Pending