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Hana Securities Issuer Summary

Issuer: Hana Securities | Document: Issuer Summary | Date: 2026-05-16

Report date: 2026-05-16
Issuer: Hana Securities Co., Ltd.
Ticker: HANFGI
Relevant bond context: Hana Securities senior unsecured, subordinated and short-term market funding, including foreign-currency notes where documentation is available before investment.

1. Business Snapshot and Recent Developments

Hana Securities Co., Ltd.(以下、Hana Securities)は、Hana Financial Group Inc.(以下、HFG)の100%子会社である韓国の総合証券会社である。銀行ではなく、投資売買、投資仲介、投資助言、投資一任・運用、信託関連サービス、資本市場業務、法人金融、自己勘定・トレーディングを組み合わせる市場型金融発行体として見るべきである。信用分析の出発点は、Hana Bankの預金・貸出クレジットやHFG連結の銀行中心信用をそのまま移すことではない。Hana SecuritiesはHFGにとって重要な非銀行子会社だが、同社債務が明示的にHFGまたはHana Bankに保証されていると確認したわけではないため、債券保有者は親会社支援期待、グループ内の戦略的位置づけ、単体の資本・流動性、証券会社固有の市場調達感応度を分けて評価する必要がある。

会社像を一言でいえば、Hana Securitiesは「大手銀行系金融グループの顧客基盤を背景に持つが、返済力そのものは証券市場・短期調達・自己資本余力に左右される総合証券会社」である。2023年Sustainability Reportによれば、同社は1977年1月18日設立、2023年12月末時点でHFGが100%保有し、従業員1,798人、国内拠点55、連結総資産48.2兆ウォン、連結自己資本5.7兆ウォン、顧客資産116.6兆ウォンを掲げていた。HFGのDatabookでは、2025年通期のHana Securitiesの総資産は信託資産を含むベースで89.8兆ウォン、自己資本は6.1兆ウォン、2026年第1四半期末では総資産94.0兆ウォン、自己資本6.1兆ウォンである。会計上の総資産は監査報告書とDatabookで範囲が異なり、監査報告書の2024年末連結総資産は57.8兆ウォン、2025年6月末は61.8兆ウォンである。したがって、規模感を語るときは、信託資産を含むDatabookベースとK-IFRS連結財務諸表ベースを混同しない。

直近の信用上の焦点は、2023年の大幅赤字から、2024年、2025年、2026年第1四半期に黒字へ戻ったことをどう読むかである。HFG 1Q26 Databookによれば、Hana SecuritiesのHFG開示ベースの純利益は2023年にマイナス2,924億ウォン、2024年に2,251億ウォン、2025年に2,120億ウォン、2026年第1四半期に1,033億ウォンだった。営業利益も2023年のマイナス3,668億ウォンから2024年1,420億ウォン、2025年1,665億ウォン、2026年第1四半期1,416億ウォンへ戻っている。2026年第1四半期の純利益は前年同期比37.1%増で、同四半期だけを見ると回復は強い。ただし、証券会社の利益は株式市場、金利、クレジット、為替、デリバティブ、投資銀行案件、PF・不動産関連評価、自己勘定損益に左右される。2023年からの回復を信用力改善として評価するには、赤字要因の再発可能性、利益のうち手数料・顧客資産型収益がどれだけ増えたか、市場性損益の振れを資本と流動性で吸収できるかを切り分ける必要がある。

足元の最も重要な読み方は、Hana Securitiesが「弱い証券会社」ではなく「大手グループ傘下の有力証券会社」だが、同時に「銀行ほど安定した調達基盤を持つわけではない」という二面性である。国内ローカル格付は高位で、NCRは規制最低水準を大きく上回っている。2025年末のHFG Databook上のNCRは約1,391%、2026年第1四半期末は約1,333%であり、規制上の最低100%を大きく超える。もっとも、NCRの高さは、証券会社の市場リスクと流動性リスクが消えたことを意味しない。レポ、CP、短期債、外貨債、デリバティブ、FVTPL資産、保証・コミットメントが大きい発行体では、損益悪化より先に担保・ヘアカット・短期市場アクセスが悪化することがある。したがって、投資家は「グループ傘下で資本は厚い」という支えと、「市場調達と自己勘定資産の流動性に敏感」という制約を同時に見るべきである。

信用上の直近論点をまとめると、以下の通りである。

論点 確認した事実 信用上の読み方
2023年赤字からの回復 HFG Databook上の純利益は2023年マイナス2,924億ウォン、2024年2,251億ウォン、2025年2,120億ウォン、2026年1Q1,033億ウォン 収益力は回復したが、2023年赤字の再発経路、PF・市場損益・評価損の内訳を継続確認する必要がある。
事業規模 HFG Databook上、信託資産を含む総資産は2025年末89.8兆ウォン、2026年1Q末94.0兆ウォン 韓国証券会社として相応の規模を持つ。ただし資産拡大は市場性資産と調達リスクの拡大でもある。
資本余力 NCRは2025年末約1,391%、2026年1Q末約1,333% 規制最低水準に対して余裕は大きい。もっともNCRは流動性ストレスや短期調達閉塞を直接保証しない。
調達構造 2025年6月末監査レビュー上の借入17.6兆ウォン、社債5.6兆ウォン、うちレポ13.1兆ウォン、CP2.7兆ウォン、短期債2.3兆ウォン 証券会社として市場性調達に大きく依存する。損益よりも先に調達条件が変わるリスクを見る。
親会社 監査報告書上、HFGが100%親会社 支援期待とグループ内重要性は支え。ただし明示保証または個別債条項で確認しない限り、保証付きとは扱わない。

2. Industry Position and Franchise Strength

Hana Securitiesのフランチャイズは、独立系証券会社というより、HFGの銀行・カード・キャピタル・保険・資産運用機能を横断する金融グループの証券プラットフォームとして評価すべきである。2023年Sustainability Reportでは、同社はWM、Wholesale、IB、S&Tを柱とし、個人・一般投資家向けの株式、先物、オプション、資産管理商品、機関投資家・法人向け金融商品、企業金融、M&A、債券、上場・店頭デリバティブを扱うと説明している。これは、単なるリテール株式仲介会社でも、純粋な投資銀行でも、銀行子会社でもない。信用力の源泉は、顧客接点、グループ紹介、国内資本市場アクセス、自己資本、短期市場調達の組み合わせにある。

第二の支えは、自己資本規模と総合金融投資会社としての機能である。2023年Sustainability Reportは、同社が5兆ウォン超の自己資本を持つ主要投資銀行として、WM、Wholesale、IB、S&Tのバランスあるポートフォリオを構築していると説明する。監査報告書ベースの連結自己資本は、2023年末5.74兆ウォン、2024年末5.99兆ウォン、2025年6月末6.05兆ウォンである。HFG Databookの自己資本も2025年末6.11兆ウォン、2026年1Q末6.13兆ウォンを示す。韓国証券業では、自己資本規模が引受、企業金融、自己勘定、デリバティブ、短期金融業務、顧客信用取引の容量に直結しやすい。したがって、自己資本は単なる損失吸収バッファだけでなく、事業上の参入券でもある。

フランチャイズ面の制約は、上位金融グループ傘下であっても、証券会社の収益は市場環境に大きく左右されることである。Hana SecuritiesのOther incomeは、HFG Databook上、2023年マイナス1,914億ウォン、2024年895億ウォン、2025年マイナス1,445億ウォン、2026年第1四半期277億ウォンと振れが大きい。これは、純粋な手数料型ビジネスではなく、自己勘定・評価損益・金融商品損益・為替・デリバティブなどの市場性要素が大きいことを示唆する。Hana Securitiesの強みは、収益源が多いことだが、制約は、その収益源の一部が同じ市場ストレスで同時に悪化し得ることである。

3. Segment Assessment

Hana Securitiesのセグメント評価では、会社の正式な最新セグメント別利益を本稿では十分に取得できていないため、HFG Databook上の収益項目と営業統計を使って、収益源の性質を整理する。信用上は、Fee incomeと顧客資産型収益が安定化に寄与し、Net interest incomeが証券金融・金利収益の下支えとなり、Other incomeとS&T・自己勘定が利益の振れを作る構図である。IBは資本市場環境と案件量に依存するが、HFGグループの法人顧客基盤を活用できる点で意味がある。

指標 FY2023 FY2024 FY2025 FY2026 1Q 信用上の読み方
Net interest income 3,003億ウォン 3,855億ウォン 5,202億ウォン 1,295億ウォン 金利収益は拡大している。証券金融・運用資産・調達構造の影響を受けるため、単純な銀行NIMとは違う。
Fee income 3,238億ウォン 3,738億ウォン 4,440億ウォン 1,953億ウォン WM、仲介、金融商品販売の回復を示す。市況依存の販売フローか、残高型収益かを分けて見る必要がある。
Other income -1,914億ウォン 895億ウォン -1,445億ウォン 277億ウォン 収益変動の主因。市場損益、評価損益、自己勘定関連を保守的に扱うべきである。
Brokerage fee revenue 1,389億ウォン 1,340億ウォン 1,814億ウォン 1,039億ウォン 2025年以降の株式市場活況の恩恵が大きい。弱い市況での手数料下限が監視点。
Debt issuance market YTD 2.07兆ウォン 3.75兆ウォン 3.65兆ウォン 1.03兆ウォン DCMでは一定の実績がある。金利環境、企業起債、信用スプレッドに左右される。
Hybrid securities outstanding 10.12兆ウォン 9.98兆ウォン 11.32兆ウォン 10.53兆ウォン ハイブリッド・仕組み性商品の取扱は収益機会だが、評価、流動性、販売適合性にも注意が必要。

注: FY2026 1Qは四半期または累計第1四半期のDatabook表示値であり、通期実績と同列に年率換算していない。単位は特記なき限りKRW billionを億ウォンに換算して本文で表示している。

IB・法人金融は、HFGの法人顧客基盤と相性が良いが、利益は案件環境に左右される。債券発行市場の取扱実績は、2024年、2025年とも3.6兆ウォン超で、2026年第1四半期も1.0兆ウォンを超えている。一方、IPO実績は変動が大きく、2025年は低水準、2026年第1四半期はDatabook上ゼロである。韓国証券会社の信用分析では、IPOや不動産PF、買収ファイナンス、引受保証、未売却在庫、ブリッジローン、エクイティ投資が、良い局面では収益を高める一方、悪い局面では評価損、引当、流動性負担につながる。Hana Securitiesについても、IBの収益実績そのものより、案件の質、資本拘束、保証・コミットメント、PF関連リスクを監視すべきである。

S&T・自己勘定・金融商品関連は、信用力の上限を決める重要な領域である。監査報告書上、Hana Securitiesは大きなFVTPL資産とFVTPL負債を持つ。2024年末のFVTPL資産は36.4兆ウォン、FVTPL負債は19.4兆ウォン、2025年6月末のFVTPL資産は37.7兆ウォン、FVTPL負債は21.9兆ウォンだった。これは、単純な仲介会社ではなく、金融商品、デリバティブ、レポ、自己勘定、顧客向け商品組成を扱う証券会社であることを示す。市場が平常で流動性が厚いときには、こうした事業は収益機会になる。だが、金利急変、クレジットスプレッド拡大、株式下落、為替変動、ヘッジコスト上昇、担保ヘアカット拡大が重なると、損益と流動性が同時に悪化する。

セグメント全体を通じた信用上の結論は、Hana Securitiesの収益源は複数あるが、それらが完全には分散していないということである。WM、仲介、IB、S&Tは一見異なる事業だが、韓国株式市場、金利、信用スプレッド、投資家リスク選好、不動産PF、短期調達環境が悪化すると、複数事業が同時に圧迫される。HFGグループの顧客基盤と自己資本は下支えだが、証券会社としての収益ボラティリティを消すものではない。投資家は、良い四半期の利益水準より、悪い市況でもNCR、流動性、短期調達、親会社支援余地が保たれるかを見るべきである。

4. Financial Profile and Analysis

Hana Securitiesの財務分析では、2023年の赤字、2024年以降の回復、資産拡大、NCR余裕、短期調達依存を一体で見る必要がある。2023年はHFG Databook上、営業収益4,327億ウォンに対してG&A expenseが5,541億ウォン、Provision expenseが2,453億ウォン、営業損失3,668億ウォン、純損失2,924億ウォンだった。2024年には営業収益8,487億ウォン、営業利益1,420億ウォン、純利益2,251億ウォンへ戻った。2025年も純利益2,120億ウォンを維持し、2026年第1四半期には純利益1,033億ウォンと、四半期ベースで良い出だしとなった。

Hana Securities主要指標 FY2023 FY2024 FY2025 FY2026 1Q 信用上の読み方
General operating income 4,327億ウォン 8,487億ウォン 8,196億ウォン 3,525億ウォン 2024年に大きく回復、2026年1Qも強い。だが市場環境の寄与を分ける必要がある。
Operating income -3,668億ウォン 1,420億ウォン 1,665億ウォン 1,416億ウォン 2023年の赤字から黒字化。2026年1Qは四半期として非常に強い。
Net income -2,924億ウォン 2,251億ウォン 2,120億ウォン 1,033億ウォン 回復は明確。ただし2025年通期の監査済み単体財務は未取得。
Total assets incl. trust assets 64.6兆ウォン 75.5兆ウォン 89.8兆ウォン 94.0兆ウォン 資産規模は拡大。市場性資産と調達リスクも拡大し得る。
Shareholders' equity 5.74兆ウォン 5.99兆ウォン 6.11兆ウォン 6.13兆ウォン 自己資本は増加傾向。損失吸収力の支え。
ROE, Databook display -5.0% 3.9% 3.5% 6.9% 利益回復後もROEは高収益証券会社としては控えめ。2026年1Qは通期換算ではない。
ROA, Databook display -0.6% 0.4% 0.3% 0.6% 大きなバランスシートに対して収益率は低い。
NCR 約1,269% 約1,483% 約1,391% 約1,333% 規制最低100%に対して余裕は大きい。低下方向かどうかを監視。
Cost-to-income ratio 128.1% 73.0% 77.1% 55.6% 2023年は赤字のため大幅悪化、2024年以降改善。固定費の柔軟性が監視点。

注: HFG Databookの単位はKRW billion。NCRはDatabook上のNet Operating Capital Ratioを百分率換算して表示。FY2026 1Qは第1四半期データであり、通期実績と単純比較しない。総資産はDatabookのincl. trust assetで、監査報告書のK-IFRS連結総資産とは範囲が異なる。

収益の質では、Fee incomeの増加は前向きだが、Other incomeの振れが大きい。2024年のOther incomeは895億ウォンのプラスだったが、2025年はマイナス1,445億ウォンである。それでも2025年の純利益は2,120億ウォンを維持したため、金利収益と手数料収益が一定程度支えたと読める。だが、Other incomeがマイナスになっても黒字を維持できたことを評価するには、そのマイナスの内訳、PF・不動産、自己勘定、評価損、ヘッジ、デリバティブ、外国為替のどれが効いたかを確認する必要がある。本稿ではその詳細を未取得として残す。

監査報告書ベースの財務構成は以下の通りである。

K-IFRS連結財政状態 FY2023 FY2024 1H2025 信用上の読み方
Cash and deposits 2.85兆ウォン 4.11兆ウォン 4.16兆ウォン 現預金は増加。短期負債との対比では十分とは言い切れない。
Financial assets at FVTPL 31.67兆ウォン 36.42兆ウォン 37.69兆ウォン 最大の資産項目。市場価格・流動性・ヘッジの変動が重要。
Financial assets at FVOCI 3.99兆ウォン 4.39兆ウォン 4.35兆ウォン 債券等の保有資産と推定されるが、詳細な格付・流動性は追加確認が必要。
Loan receivables, net 5.50兆ウォン 6.29兆ウォン 6.82兆ウォン 顧客信用、法人金融、証券金融等の性格を確認したい。
Total assets 48.26兆ウォン 57.84兆ウォン 61.75兆ウォン K-IFRS連結ベースでも拡大。
Financial liabilities at FVTPL 14.88兆ウォン 19.44兆ウォン 21.87兆ウォン デリバティブ・金融商品負債を含む市場性負債。
Deposits received 2.32兆ウォン 2.52兆ウォン 3.22兆ウォン 顧客・取引関連の預り金。銀行預金とは性質が違う。
Borrowings 17.29兆ウォン 18.80兆ウォン 17.57兆ウォン レポ、CP、KSFC等を含む調達の中核。
Debentures 4.62兆ウォン 5.50兆ウォン 5.64兆ウォン 普通社債、劣後債、外貨債、短期債を含む。
Total liabilities 42.52兆ウォン 51.85兆ウォン 55.70兆ウォン 資産拡大に合わせて増加。
Total equity 5.74兆ウォン 5.99兆ウォン 6.05兆ウォン 利益回復により微増。

この財政状態表からは、Hana Securitiesが市場性資産と市場性負債を大きく抱える証券会社であることが明確である。2025年6月末時点で、FVTPL資産37.7兆ウォン、FVTPL負債21.9兆ウォン、借入17.6兆ウォン、社債5.6兆ウォンを持つ。銀行のように預金が主たる調達源ではなく、レポ、CP、短期債、金融商品負債、顧客預り金、外貨債、劣後債などを組み合わせている。資本が6兆ウォン程度あることは大きな支えだが、総負債55.7兆ウォンに対する資本の厚みは、証券会社としての規制・流動性管理を前提に評価すべきである。

NCRは、同社の信用評価で最も重要な規制指標である。HFG Databook上、NCRは2023年1,269%、2024年1,483%、2025年1,391%、2026年第1四半期1,333%であり、監査報告書も金融投資業規則上100%超を維持する必要があると説明している。水準だけ見れば十分に高い。ただし、NCRは市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスクを一定の枠組みで測る指標であり、短期市場が閉じる局面の資金繰りを完全に表すものではない。NCRが高くても、レポ相手のヘアカット拡大、CP市場閉塞、外貨調達コスト上昇、顧客資金流出、デリバティブ担保差入れが同時に起きれば、流動性圧力は高まる。

信用コスト・引当面では、HFG Databook上のProvision expenseは2023年2,453億ウォン、2024年871億ウォン、2025年212億ウォン、2026年第1四半期147億ウォンである。2023年に大きく、2024年以降低下していることは、赤字要因の一部が信用関連・PF関連・評価損関連だった可能性を示唆する。ただし、本稿では不動産PF、ブリッジローン、保証・コミットメント、自己勘定投資の詳細な損失内訳を十分に確認できていない。2023年の損失からの回復を信用力改善と読むには、どのリスクが縮小したのか、単に市況で反転したのか、資本で吸収しただけなのかを確認する必要がある。

財務面の総合評価は、Hana Securitiesは2023年のストレスを越えて黒字化し、自己資本とNCRは強いが、収益性はなお市場環境に左右され、バランスシートは市場性資産・市場性調達に大きく依存する、というものである。短期的な支払能力に関しては、HFGグループの100%子会社であること、国内高位格付、NCR余裕、自己資本6兆ウォン規模が支えになる。一方、単体財務だけで銀行型の安定クレジットと見るには無理があり、収益変動、短期調達、レポ、CP、外貨債、FVTPL資産、不動産PF関連リスクを監視し続ける必要がある。

5. Structural Considerations for Bondholders

Hana Securities債券保有者にとって最も重要な構造論点は、発行体がHFGの100%子会社でありながら、債務の直接返済主体はHana Securitiesであることだ。Hana SecuritiesはHFG連結の一部であり、ブランド、顧客基盤、資本政策、規制上の評判の面でグループと密接に結びつく。監査報告書でも、HFGが親会社であり、関連当事者取引が存在することが確認できる。だが、親会社保有は明示保証ではない。個別債券の保証、担保、劣後性、コベナンツ、クロスデフォルト、期限の利益喪失、変更支配、ベイルインまたは損失吸収条項は、当該債券の最終条件書またはオファリング資料で確認すべきである。

HFGにとって、Hana Securitiesを支援する動機は相応にある。第一に、同社はHFGの非銀行戦略を担う証券会社であり、Hana Bank顧客への金融商品、法人金融、資本市場、資産管理を提供する。第二に、同社のブランド毀損や債務不履行は、HFG全体の市場調達、顧客信認、規制当局との関係に悪影響を与え得る。第三に、HFG連結の資本とHana Bankの信用力は、国内投資家や格付会社がグループ支援余地を評価する際の背景になる。これらは、Hana Securitiesの国内ローカル格付を支える要因と考えられる。

一方で、支援期待には限界がある。HFGは銀行持株会社であり、銀行子会社の資本、預金者保護、規制資本、持株会社の株主還元、他の非銀行子会社のリスクも同時に管理する。Hana Securitiesが市場ストレスで損失を出した場合、HFGがどの程度、どのタイミングで、どの形式で支援するかは、規制、資本余力、損失規模、他子会社への影響、評判リスクに依存する。親会社が100%保有しているからといって、すべての社債がHana Bank債と同じ信用リスクになるわけではない。

債券種別の違いも重要である。監査報告書の社債内訳には、普通無保証債、劣後債、外貨債、私募債、短期債が含まれる。2025年6月末時点では、普通無保証債が約1.29兆ウォン、劣後債が約0.81兆ウォン、外貨債が約0.94兆ウォン、私募債が約0.25兆ウォン、短期債が約2.35兆ウォンである。劣後債は通常、普通社債より損失吸収性が高く、償還・利払い・破綻時順位の面で保護が弱い。短期債は信用損失よりも借換リスクが先に問題になる可能性がある。外貨債は、為替、クロスボーダー資金調達、準拠法、販売先投資家、最終条件書の条項確認が必要である。

関連当事者とグループ内支援では、Hana Bankとの関係も補助的に見る。FY2024監査報告書では、KEB Hana Bankからの保証状や未使用の外貨支払保証限度に関する記載があり、2025年6月末レビューでも外貨支払保証限度が記載されている。これは、グループ内銀行機能がHana Securitiesの一部取引・外貨資金繰りを補完し得ることを示す。ただし、こうした取引は特定の限度や契約に基づくものであり、全債務への包括保証ではない。本文では、グループ内銀行支援を「流動性・取引補完の可能性」として扱い、発行済み債券全体の法的保証とは区別する。

Hana Securitiesの債券保有者にとって、構造上の回収原資は、同社の資産、収益、自己資本、HFGからの資本・流動性支援余地である。資産の大きな部分がFVTPL資産やレポ関連資産であるため、ストレス時の回収価値は市場流動性に左右される。監査報告書は流動性リスク、信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスクを管理対象としているが、個別債券の担保や保証を詳述するものではない。発行体レポートとしては、国内市場での高位信用プロファイルと親会社支援期待を認めつつ、特定債券投資前には必ず発行主体、保証、順位、劣後性、満期、償還条件、クロスデフォルト、コベナンツ、準拠法を確認する必要がある。

構造面で避けるべき誤りは二つある。第一に、Hana SecuritiesをHana Bankと同じ銀行債として扱うこと。Hana BankはMoody's Aa3、S&P A+、Fitch Aという国際格付を持つ銀行であり、預金・貸出・決済基盤を持つ。Hana Securitiesは証券会社であり、Hana Bankの信用格付は直接の保証ではない。第二に、国内AA格をグローバル投資適格上位と単純に換算すること。韓国国内格付は国内市場内での相対評価であり、国際投資家の外貨債評価では、韓国ソブリン、HFGグループ、親会社支援、証券会社の市場性、外貨流動性、個別債条項を合わせて見る必要がある。

6. Capital Structure, Liquidity and Funding

Hana Securitiesの資本・流動性評価では、NCRの高さを支えとして認めながら、短期性調達と市場性負債の集中を重く見る必要がある。銀行ではないため、LCRやNSFRをそのまま主指標にするより、現預金、流動性資産、短期満期負債、レポ依存、CP、短期債、外貨債、担保差入・受入、デリバティブ関連流動性、未使用コミットメント、親会社・Hana Bankとの取引余地を確認する方が実務的である。

2025年6月末の監査レビュー上、Hana Securitiesの借入は17.57兆ウォン、社債は5.64兆ウォンである。借入の中では、レポが13.09兆ウォンで最大、CPが2.69兆ウォン、KSFC等からの借入が1.43兆ウォンである。社債では、短期債が2.35兆ウォン、普通無保証債が1.29兆ウォン、外貨債が0.94兆ウォン、劣後債が0.81兆ウォンである。つまり、調達構造の中核は、長期安定負債というより、レポ、CP、短期債、外貨債を組み合わせる市場性調達である。

調達内訳 FY2024 1H2025 信用上の読み方
Call money 0.48兆ウォン 0.12兆ウォン 日次・短期の市場性資金。平時は柔軟だがストレス時に短くなりやすい。
CP borrowings 2.86兆ウォン 2.69兆ウォン 短期市場アクセスへの依存を示す。借換環境を常に見る必要がある。
KSFC borrowings 1.65兆ウォン 1.43兆ウォン 韓国証券金融等からの調達は支えだが、担保・規制条件を確認したい。
Bank borrowings 0.02兆ウォン 0.08兆ウォン 銀行借入は小さい。
Foreign currency borrowings 0.01兆ウォン 0.01兆ウォン 監査表上の借入は小さいが、外貨債は別途存在する。
Repo borrowings 13.64兆ウォン 13.09兆ウォン 最大の借入項目。担保、ヘアカット、相手方行動が流動性に効く。
Other borrowings 0.15兆ウォン 0.16兆ウォン 小さい。
Total borrowings 18.80兆ウォン 17.57兆ウォン 2025年6月末にはやや減少したが、依然として大きい。
社債・債券内訳 FY2024 1H2025 信用上の読み方
Plain non-guaranteed bonds 1.16兆ウォン 1.29兆ウォン 中長期の普通社債。個別保証・コベナンツ確認が必要。
Subordinated bonds 1.11兆ウォン 0.81兆ウォン 劣後性があるため普通社債より損失吸収性が高い。
Foreign currency bonds 0.62兆ウォン 0.94兆ウォン 外貨市場アクセスを示す一方、外貨流動性と条項確認が重要。
Private placement bonds 0.34兆ウォン 0.25兆ウォン 投資家層・条項・流動性にばらつきが出やすい。
Short-term bonds 2.27兆ウォン 2.35兆ウォン 借換依存を高める。短期市場閉塞時の圧力が大きい。
Total debentures 5.50兆ウォン 5.64兆ウォン 2024年末からほぼ横ばい。内訳では短期債が大きい。

流動性の最大の論点は、満期集中である。FY2024監査報告書の流動性リスク注記では、2024年末時点の金融負債キャッシュフローのうち、3カ月以内が35.0兆ウォン、3カ月超1年以内が9.45兆ウォン、1年超5年以内が4.71兆ウォン、5年超が2.78兆ウォンである。総額52.0兆ウォンのうち、3カ月以内が非常に大きい。これは証券会社のビジネスモデル上、レポ、デリバティブ、金融商品負債、顧客預り金、短期借入があるため自然ではあるが、債券投資家にとっては、短期市場アクセスと担保流動性が中核リスクであることを意味する。

現預金は2024年末4.11兆ウォン、2025年6月末4.16兆ウォンで、短期金融負債キャッシュフロー全体に比べると限定的である。もちろん、証券会社は現預金だけで全短期負債を返す設計ではなく、保有有価証券、レポ、担保、顧客取引、清算機関、金融機関ライン、親会社・グループ内支援、日々の資金繰り管理を組み合わせる。しかし、現預金だけでは短期負債を十分にカバーしないため、流動性評価は、保有資産の質、担保適格性、ヘアカット、レポ相手、外貨流動性、CP投資家ベース、短期債投資家ベースを含めて見る必要がある。

NCRは厚いが、2024年1,483%から2025年1,391%、2026年第1四半期1,333%へ低下している。水準はなお高いが、資産拡大、Total riskの増加、自己勘定・デリバティブ・PF関連エクスポージャーの増減に応じて動く。HFG DatabookではTotal riskが2023年2.57兆ウォン、2024年2.91兆ウォン、2025年3.28兆ウォン、2026年1Q3.25兆ウォンである。NOCは2023年4.28兆ウォン、2024年4.90兆ウォン、2025年5.16兆ウォン、2026年1Q5.05兆ウォンである。資本余力は保たれているが、リスク量も増えているため、NCRの方向性を単純に無視すべきではない。

外貨流動性も確認すべきである。2025年6月末の外貨債は0.94兆ウォン相当で、2024年末0.62兆ウォンから増えている。監査報告書には外貨支払保証限度などHana Bank関連の記載もある。外貨債は国際投資家にとって重要な投資対象になり得るが、外貨調達は国内ウォン建て短期市場とは違う投資家ベース、準拠法、決済、ヘッジ、スワップコスト、条項を持つ。個別外貨債投資前には、発行プログラム、最終条件、保証の有無、資金使途、償還条項、税務、準拠法、クロスデフォルトを確認する必要がある。

資本・流動性面の結論は、Hana SecuritiesはNCRと親会社関係に支えられた国内高位の証券会社信用である一方、短期調達とレポ依存が大きいため、流動性ストレスに敏感な発行体であるということだ。通常時の借換能力は国内高位格付とHFGグループ背景に支えられる可能性が高い。しかし、韓国証券会社セクターのPF不安、CP市場閉塞、金利急変、担保価値下落、外貨市場の荒れが重なると、収益より先に資金調達条件が悪化し得る。債券投資家はNCRの水準だけで安心せず、短期負債の満期、レポ残高、短期債残高、外貨債残高、HFGからの支援余地を同時に見るべきである。

7. Rating Agency View

Hana Securitiesの格付評価では、国内ローカル格付と国際投資家の読み方を分ける必要がある。2023年Sustainability Reportでは、Korea Investors Service、Korea Ratings、NICE Investors Serviceの国内格付がAA、S&P国際格付がA-と読める記載がある。2025年4月23日付のAsia Business Daily報道では、NICE RatingsがHana Securitiesの無担保社債格付見通しをNegativeからStableへ戻し、シニア無担保債AA、劣後無担保債AA-を維持したとされる。ただし、本稿ではNICE、KIS、Korea Ratings、S&Pの最新原文リリースを直接取得していない。したがって、格付会社見解の詳細な格上げ・格下げトリガーは未確認事項として残す。

ただし、国内AA格を国際的なシニア銀行債のA/Aa格と機械的に比較してはいけない。国内格付は国内発行体母集団内での相対評価であり、韓国ソブリン、HFGグループ、Hana Bankとの関係、国内投資家の支援期待を含む。一方、外貨債投資家は、外貨流動性、準拠法、国際格付、債券条項、ヘッジ、クロスボーダー決済、韓国金融市場ストレスをより強く意識する。Hana BankのHFG公式格付ページでは、2023年8月時点でHana BankのMoody's Aa3 / P-1、S&P A+ / A-1、Fitch A / F1+が示されているが、これはHana Bankの格付であり、Hana Securities債の直接格付ではない。

本稿の信用見方は、国内高位格付とHFGグループ支援期待を重要な支えとして認める。しかし、格付会社の評価を分析の代替にはしない。格付がAAであっても、Hana Securitiesは市場性資産、短期調達、FVTPL、レポ、PF関連リスク、証券会社としての評判リスクを持つ。格付を使うなら、国内市場での借換アクセスと支援期待の確認材料として使い、単体の流動性・資本・収益変動の分析を別に行うべきである。

8. Credit Positioning

Hana Securitiesのクレジットポジショニングは、Hana Bank、HFG持株会社、独立系または他の韓国大手証券会社、グローバル証券会社の中間に置くのが自然である。Hana Bankに比べると、Hana Securitiesは預金・貸出・決済基盤を持たず、レポ、CP、短期債、外貨債、FVTPL資産、自己勘定損益、市場センチメントに敏感である。一方、独立した中小証券会社に比べると、HFGの100%子会社であること、自己資本6兆ウォン規模、国内AA級格付、グループ顧客基盤が支えになる。

比較軸 Hana Securitiesの位置づけ 信用上の意味
Hana Bank対比 銀行ではなく証券会社。預金基盤・国際銀行格付を直接持つわけではない。 Hana Bank債と同じリスクとして扱わない。Hana Bank格付はグループ背景の補助材料。
HFGグループ対比 非銀行収益の一角を担う100%子会社。HFG連結では銀行が中心。 支援期待はあるが、HFG全体の信用力と同一視しない。
国内大手証券対比 自己資本6兆ウォン規模、国内高位格付、HFG顧客基盤を持つ。 国内市場アクセスは強いと見られるが、同業順位やスプレッドは未確認。
グローバル証券会社対比 韓国国内・HFGグループに強い一方、世界的な投資銀行規模ではない。 海外投資家は国際格付、外貨流動性、個別債条項を重視すべき。
ノンバンク金融対比 レポ・CP・短期債依存が大きく、NCR規制で管理される。 レバレッジや短期市場閉塞への感応度を重く見る。

基礎的な信用力では、Hana Securitiesは「親会社支援期待のある国内高位証券会社クレジット」として、同国の銀行シニア債より一段慎重に、独立系ノンバンクより一段強く見るのが妥当である。HFGのブランド、資本、顧客基盤は強い支えだが、証券会社の損益と調達は市場ストレス時に銀行より速く悪化しやすい。したがって、同じHana名義でも、Hana Bankシニア債、HFG持株会社債、Hana Securities普通社債、Hana Securities劣後債、短期債、外貨私募債は同一に扱わない。

9. Key Credit Strengths and Constraints

第一の強みは、HFGの100%子会社であることだ。Hana SecuritiesはHFGの非銀行収益、資産管理、資本市場、証券仲介、法人金融機能を担う。HFGとHana Bankのブランド、顧客基盤、規制上の評判は、Hana Securitiesの市場アクセスと支援期待を支える。特に国内投資家にとって、Hana名義とHFG完全子会社であることは、単体財務以上に重要な信用補完として働き得る。

第二の強みは、自己資本とNCRの厚みである。監査報告書ベースの自己資本は2024年末5.99兆ウォン、2025年6月末6.05兆ウォンであり、HFG Databook上のNCRは2025年末1,391%、2026年1Q末1,333%である。証券会社にとって、自己資本とNCRは損失吸収、引受能力、デリバティブ、自己勘定、顧客信用、短期市場調達の土台である。水準だけ見れば、短期的な資本不足を中心に心配する発行体ではない。

第三の強みは、2024年以降の黒字回復である。2023年の純損失から、2024年、2025年、2026年第1四半期に黒字へ戻ったことは、信用見方を安定化させる。特にFee incomeとBrokerage fee revenueが増え、2026年第1四半期の純利益が1,033億ウォンとなったことは、相場回復時に収益を取れる事業基盤を示す。2023年の赤字から抜け出せない証券会社ではないという点は重要である。

第四の強みは、国内高位格付と市場アクセスである。2023年Sustainability Reportおよび2025年報道ベースでは、国内格付はAA級であり、NICEは見通しを安定化させたとされる。国内格付が高いことは、CP、短期債、普通社債、レポ、金融機関取引における市場アクセスを支える。証券会社にとって市場アクセスは信用力そのものであり、格付維持は単なるラベルではない。ただし、本稿で直接確認できた最新格付資料は限定的であり、国内高位格付は市場アクセスの支えとして扱う一方、格付会社の詳細な支援織り込みや格下げトリガーは未確認事項として残す。

最大の制約は、証券会社としての市場感応度である。FVTPL資産、FVTPL負債、レポ、デリバティブ、自己勘定、短期金融商品が大きく、Other incomeの振れも大きい。金利、株式、クレジット、為替、流動性、投資家リスク選好が同時に悪化すれば、損益、資本、担保、調達コストが同時に圧迫される。2023年の赤字は、この制約が現実に出たことを示す。

第二の制約は、短期調達依存である。2024年末の金融負債キャッシュフローのうち3カ月以内が35.0兆ウォンであり、2025年6月末の借入のうちレポ13.1兆ウォン、CP2.7兆ウォン、社債のうち短期債2.3兆ウォンがある。通常時にはこれらは効率的な調達手段だが、ストレス時にはロールオーバー、ヘアカット、担保価値、カウンターパーティ行動が一斉に悪化し得る。これは銀行型クレジットにはない制約である。

第三の制約は、親会社支援期待が明示保証ではない点である。HFGの100%子会社であることは大きな支えだが、Hana Securitiesの債務がすべてHFGまたはHana Bankに保証されているわけではない。特に外貨債、私募債、劣後債、短期債では、発行主体、保証、順位、償還条件を個別に確認しなければならない。親会社支援を過大評価すると、劣後性や短期調達リスクを見落とす。

第四の制約は、不動産PF・IB・保証・コミットメント・自己勘定リスクの詳細が未確認であることだ。Hana Securitiesの2023年赤字、Provision expenseの大きさ、金融保証・コミットメント、PF・不動産市場への一般的な業界感応度を考えると、この領域は信用分析上重要である。本稿では公開資料から大枠を確認したが、PF関連エクスポージャー、ブリッジローン、未売却在庫、保証引受、評価損、引当方針の詳細は未確認である。この未確認事項は単なる補足ではなく、2023年赤字からの回復を構造改善と判断できるかを左右する最大の残課題である。

10. Downside Scenarios and Monitoring Triggers

最も現実的なダウンサイドは、韓国証券会社セクターに共通する不動産PF・短期金融市場ストレスの再燃である。不動産市況が悪化し、PFローン、ブリッジローン、保証、引受、未売却案件、関連ファンド・証券化商品の評価が下がると、まずProvision expense、評価損、Other income、自己資本に圧力がかかる。次に、投資家が証券会社CPや短期債に慎重になり、レポヘアカットや担保要件が厳しくなれば、資金繰りコストが上がる。2023年の赤字は、この種のストレスがHana Securitiesにも無関係ではないことを示す。監視すべき指標は、PF関連開示、引当、評価損、保証・コミットメント、NCR、短期債発行残高、CP発行条件、国内格付見通しである。

第二のダウンサイドは、市場価格変動によるS&T・自己勘定損益の急悪化である。金利上昇、クレジットスプレッド拡大、株式下落、為替変動、デリバティブボラティリティ上昇が重なると、FVTPL資産・負債の評価、ヘッジ、担保差入れ、顧客フローが同時に悪化する。Hana SecuritiesはFVTPL資産とFVTPL負債が大きいため、市場変動が損益と流動性に直結しやすい。監視項目は、Other income、FVTPL資産・負債、VaRまたは市場リスク量、Total risk、NCR、担保差入れ、デリバティブ関連偶発流動性である。

第三のダウンサイドは、短期調達市場の閉塞である。レポ13兆ウォン規模、CP2.7兆ウォン規模、短期債2.3兆ウォン規模を持つ発行体では、資金繰りの悪化は損益悪化より早く表れる可能性がある。CP投資家が慎重化し、レポ相手がヘアカットを引き上げ、短期債のロールが短くなり、外貨市場のヘッジコストが上がれば、現預金4兆ウォン台だけでは十分な緩衝材にならない。HFGやHana Bankからの流動性補完余地は支えだが、投資家はその支援形式を契約上確認できるわけではない。監視項目は、短期負債満期表、CP・短期債発行状況、レポ残高、現預金、流動性資産、Hana Bank関連保証・限度、格付見通しである。

改善側のトリガーは、利益回復が単年度・単四半期で終わらず、Fee incomeと顧客資産型収益が弱い市況でも維持され、Other incomeの振れが小さくなり、NCRが高水準を保ち、短期調達依存が過度に増えず、PF関連エクスポージャーと保証・コミットメントが透明化されることである。反対に、純利益の再赤字化、Provision expenseの再拡大、Other incomeの大幅マイナス、NCRの急低下、短期債・CPの発行困難、国内格付見通しの悪化、親会社またはHana Bank格付の悪化、PF関連損失の拡大が出れば、現在の信用見方を見直す必要がある。

11. Credit View and Monitoring Focus

現時点のHana Securitiesの信用力水準は、国内市場では高位格付とHFG完全子会社としての支援期待に支えられる証券会社クレジットと評価できる。ただし、国際投資家向けに投資適格性を判断するには、最新の国際格付、外貨債の発行主体、保証、順位、条項を別途確認する必要がある。信用の質はHana Bankのような預金主導の銀行信用ではなく、市場性資産、短期調達、レポ、CP、自己勘定損益に敏感な市場型金融信用である。信用力の方向性は、2023年の赤字局面から2024年・2025年・2026年第1四半期に黒字へ戻ったことで安定化しているが、収益改善が構造的に定着したとまでは言い切れず、改善速度は市況に左右される緩やかなものと見るべきである。

一方、最大の制約は、証券会社としての市場調達依存と収益変動性である。2025年6月末時点で借入17.6兆ウォン、社債5.6兆ウォン、FVTPL資産37.7兆ウォン、FVTPL負債21.9兆ウォンを抱える発行体では、通常時の高いNCRだけでストレス時の流動性を判断することはできない。現預金4兆ウォン台に対し、2024年末の3カ月以内金融負債キャッシュフローは35.0兆ウォン規模であり、流動性評価は現預金残高だけでなく、担保適格資産、レポ市場アクセス、CP・短期債のロール、グループ内支援余地を合わせて見る必要がある。HFG支援期待は支えだが、個別債券への明示保証とは異なるため、発行主体と債券条項を必ず確認すべきである。

監視の中心は、HFG DatabookのHana Securitiesシート、Hana Securitiesの監査・半期レビュー報告書、NCR、NOC、Total risk、借入・社債内訳、短期負債満期、現預金、FVTPL資産・負債、PF関連開示、保証・コミットメント、国内格付見通し、HFGおよびHana Bankの格付・資本・収益である。2025年通期のHana Securities監査済み報告書と最新の格付会社原文が取得できれば、今回の信用見方のうち、収益回復の再現性、PF関連リスク、外貨債の条項、親会社支援の織り込みをさらに精査できる。

12. Short Summary & Conclusion

Hana Securitiesは、Hana Financial Groupの100%子会社である韓国の総合証券会社であり、自己資本6兆ウォン規模、国内高位格付、HFGグループの顧客基盤を背景に持つ。一方で、Hana Bankのような預金主導の銀行信用ではなく、レポ、CP、短期債、外貨債、FVTPL資産、自己勘定損益に敏感な市場型金融発行体である。2023年赤字から2024-2026年に黒字回復した点は支えだが、監視点はNCR、短期調達、PF関連リスク、FVTPL資産、国内格付見通し、HFGからの支援期待と個別債券条項の差である。

13. Sources

Primary company sources

Secondary sources

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Unverified / Pending